忍者ブログ

心汰の冒険

2010,3,11...設置

2020/07    06« 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20  21  22  23  24  25  26  27  28  29  30  31  »08
学パロ
視線の先
(※バツティナ要素注意)





バレンタインデーは過ぎ去った。

しかしまだチョコレートの甘い残り香は燻っていた。――――・・・


「なぁ、ティナがフリオニールに告白したって噂があるんだけど、お前ら、このことについてどう思う?」

ジタンが言う。お昼休みのことであった。
お前ら、と呼ばれたメンツは、バッツ、クラウド、スコール、ノクトである。

「え、それほんとか?どこで噂になってるんだ?」とバッツ。

「昨日、イイ感じになってる二人を見た子がいるんだよ。」とジタン。

バッツは、とうとうあいつらくっついたのか、と思った。表向きの感想としては、“おめでとう”なのだが、どこかでガッカリしている自分がいることも確かであった。

「へえ・・・。それが確かな情報なら、良かったんじゃないか?」

バッツは明るく言った。その後ジタンやクラウドが何かを口にしていたが、彼の耳には届かなかった。なかなか衝撃的な話だったのである。

あの、どこか孤立していた彼女が実のところ、フリオニールに想いを寄せていたのか。いや、どこかで気づいてはいた。けれどまさか本当に。
フリオニール、振られたんじゃなかったんだな。

バッツはぐるぐる考えていた。

そして、そう考えている自分に驚きもする。

彼はティナのことをよく視界に留めていた。
いつからだったか、恐らくは共に弁当を広げるようになった頃からであっただろうか。彼女はどうにも危なっかしく、そして単純に彼の目に可愛らしく映っていた。

気にはなっていたのだ。しかし、好きだ、とまではいかなかった…はずであった。それというのも、フリオニールが彼女に好意を寄せているのだと知ってからは、驚く程に彼女への気持ちが引いていくのを感じたからだ。

その明確な理由まではバッツ本人にも分からなかった。

気持ちが引けたからこそフリオニールを応援したりもしたが、実際にはからかいの延長でありそれは薄情なものだった。


彼女は少し気になる存在“だった”。
それがバッツのティナに対する位置付けで、今となっては……。そこまでを考えてバッツは覚醒した。


「しかし驚きだよな。あの恋愛沙汰に疎そうなティナがだぜ?告白なんてするか?しかも相手がフリオニール!!」

ジタンがどこか嬉々として言う。それをスコールが、「声が大きいぞ。」と窘めている。

ジタンの様子から察するに、彼はあれほどティナのことをちやほやとしておきながら、本気で陶酔していた訳ではないのである。紳士な彼のことだ。レディは褒めたりちやほやするのが礼儀だくらいに思っているのかも知れなかったが。

そのことにもバッツは軽く落胆していた。なんだ、ティナを割りかし本気で気にかけていたのは俺だけかと。

しかし……。

「面白くないな。邪魔でもしてやるか。

そう、耳を疑うような台詞を吐いてのけた男がいた。クラウドであった。

「はぁ!?なんだよお前、ティナのこと好きだったのか!?」

ジタンが言う。

「?。“面白くないな”と言ったまでだ。誰も好きだなんて言っていない。」

「いやそれ!好きってことだろ。」

クラウドは壁を背もたれに腕を組んでいる。クールな装いは普段と何も変わらなかった。そしてクールな彼は言った。

「深読みするな。言葉そのままの意味で受け止めろ。俺は、ティナとフリオニールが付き合うのが何となく面白くない、そう言ったんだ。誰がティナを好きだから二人がくっつくのが面白くない、フリオニールの恋路を邪魔してやろうなどと言った。」

「お前、邪魔する気だな?そうだろ?嘘が下手くそか?」

言葉そのままの意味で受け止めた上でジタンがつっこんだ。

「(バカバカしいな……。)」

スコールは相変わらず心の中の壁と対話している。少し前にフリオニールを慰める会だの何だのと言っていたのではなかったのかと呆れていた。

「まぁでも、俺もちょっと驚いたな。」

これまで沈黙していたノクトがぽつりと言う。

彼も実は、少しではあるがティナのことを気にかけていたのだ。それは転校してきた当初からであった。落ち着いた雰囲気でいてまず目を惹き、実際に会話をしてみれば予想通り口煩くもなく。気になった理由としてはこれだけのことであったが、ノクトにとってティナは、他の女子とは違った存在であることは確かであった。

「驚くなんてもんじゃねぇよ実際。あの二人が付き合うんだぜ?想像してみろ。」

ジタンが言う。皆、言われるままに想像してみた。無言になった。

「・・・・・・。」

「付き合うってことは当然セックスだってするわけだろ?あんま想像つかねぇな~。」

そして、とんでもない大型爆弾をしらりと投下するのがバッツクラウザーであった。

節句・・・す?今確かにそう言ったよな、とノクトがバッツを驚きの眼差しで見つめる。


「バッツ・・・。」
「ん?」
「ノクトが大変なことになってるから直接的な単語はやめろって。」

ノクトはやるときはやるが純粋であった。

「・・・・・・。」
「・・・・・・。」

スコールも少し大変なことになりつつあった。ただ、ポーカーフェイスが功を奏して大変さが分からない。

「セックスごときでいちいち動揺するなよ。交尾くらい野良猫でもしてるぞ。道端でも所構わず。」

クラウドも爆弾投下野郎であった。





昼が過ぎ、午後の授業が終わり、放課後になった。

バッツはティナの席にやって来ていた。何となく彼女を構いたかったのである。

「おれにはチョコレート、くれなかったな?」

ティナの机の前、彼女の目の前にしゃがみ込み、両腕を机に投げ出して、そこに顎を乗せた姿勢でそう言った。バッツはニコニコ顔である。

ティナはそんなバッツを見て、あ、という顔をした。彼女はルーネスとフリオニールにだけチョコレートを渡していた。

「私、」

「ジョークジョーク。そんな困った顔するなってぇ。」

「……。」

バッツの笑顔はいつもと何も変わらなかった。隣にいるフリオニールにも彼らのやり取りは視界に入っているし聴こえていたが、それも普段通りに映っていた。

そしてフリオニールが呼ばれた。

呼び出し主は他クラスの女子らしかった。

「……俺?」

フリオニールが自らを指差し席を立とうと中腰になっている。まさかの、他クラスの女子からの呼び出しである。ティナも反応して、フリオニールを視線で追っていた。

バッツはそんな彼女の横顔を見つめていたのだが。

「(ああ、やっぱり本気(マジ)か。好きなんだな。)」

バッツはほぼ確信した。彼の勘はとても鋭く。
そしてそれは良く当たった。

「フリオニール君、これ……。昨日渡せなくて。受け取って……。」


目の前で繰り広げられる、“好き”の手渡し。

バッツはずっと、ティナを見ていた。

「(そんな顔するんだな。)」

ティナは唇をぎゅっと閉じて、食い入る様に見ていたのだ。フリオニールのことを。

彼女の視線の先にいる彼は、チョコレートを受け取って照れ臭そうに首筋を撫でていた。満更でもない様子であった。

また何か嵐でも吹き荒れそうな…そんな初心な二人の姿にバッツは苦笑いをし、また、何かを吹っ切った。







バツティナのようなそうでないもの。

正直、バッツが本気になれば簡単にティナを掻っ攫っていきそうで二人を絡めるのが怖いです(何)。バッツは予測不可能な動きをしそうで危険な男だ。クラさんは、単純にティナを誰かに取られたのが面白くないということらしい。

拍手

カレンダー

06 2020/07 08
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

らくがき帳

完成させられるか分からないイラストや、思いつきの鉛筆らくがきを載せています。

GARDEN SQUARE

ニュースがあれば更新されます。
You need to upgrade your Flash Player.

Flash電光掲示板を作成する

最新記事

ブログ内検索

アーカイブ

サイトの歴史

≫サイトの歴史
...PCサイト
Since 2009.10.2
...携帯サイト
Since 2003.12.27
Move 2010.4.17

広告

PR

忍者バリアー

<< Back  | HOME Next >>
Copyright ©  -- 心汰の冒険 --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Material by もずねこ / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]